記憶だけではなく
目で
耳で
触覚で
色々覚えているものだなと思いました
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もう何年も前ことですが
とてもしんどい時期があって
毎朝そこへ向かうのがやっとでした
駐車場からの道が
何㎞にも感じられて
(大丈夫、あと〇時間経ったら戻って来られるから)
(あと3回深呼吸したら行こう)
そんな風に
自分をなだめたり奮い立たせたりしていました
今思うと
それは異常だとわかるのですが
そのときは
それに気づく余裕さえありませんでした
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そのときの強烈なダメージは
その生活から離れてからもなお
その後の私の生活に
暗い影を落としていて
そこで見ていた建物と
似たようなものを見掛けるだけで
そこで聞いていた声と
同じようなトーンの声を耳にするだけで
そのときその場で嗅いだことのある
食べ物の匂いが漂ってくるだけで
ハカハカしてきて
地に足を付けていられない状態で
とうに自分の中の限界を
超えてしまっていたのだと思います
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その中でも一番つらいなと思ったのは
毎朝つけていたヘアクリーム
お気に入りの香りだったのに
それを嗅ぐと
当時の
自分を奮い立たせながら身支度していた
あの日々を思い出して
しんどさがよみがえってくることでした
だけどそのクリームは
やっぱり好きな香りで
毎朝だましだましつけていたら
もう今は「普通に好きな香りのするヘアクリーム」になりました
とはいえそう感じられるようになるまでに
何年もかかったし
今でもじっくり思い出してしまうと
やるせない思いに飲み込まれそうになってしまいます
(だからじっくりは思い出さないようにしています)
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不幸自慢をしたいわけではなくて
何を言いたいのかというと
当時の私が未熟だったのは
自分の怒りを大切に扱えなかったことです
本当は怒る必要のあることだったのかもしれない
今ならそう思えますが
当時の私は余裕がなさ過ぎて
それを抑え込むことに躍起になっていた気がします
だからこそ
あとになって
あぶり出しのように
「後悔」が浮かび上がっているのだと思います
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今この瞬間の
自分の選んだ行動が
この先の自分の目の前に広がる景色へと
繋がって行くのだとしたら
そうなのだとしたら
今目の前にあることに対して
怒りで後悔しないためには
都度
そんな風に考えていきたいなと感じています
怒りの感情と上手に付き合う
アンガーマネジメントコンサルタント
山本周子(やまもとちかこ)
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