父ボタン

- Category - 怒りん坊日記



「お父さんスイッチ」

と呼ぶには
あまりにもモダンすぎる感じがして


「父ボタン」

としてみたのですが


いずれにしても
そんなスイッチが

私にもあったようです


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私と父の関係は

いわゆる世間一般でいうところの
仲良し親子でもなければ

軋轢があるというのとも
違う感じがします


つかず離れずの
微妙な空気感の中で

必ず母を仲介していました


それは今も余韻を残していて
(父がLINEをできないからということもありますが)

ちょっとした用事はもちろん
父に直接聞く必要のあることでも
まず母に連絡をしています


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完全なる亭主関白で厳格な祖父の家に
長男として生まれた父は

きっと色々な重責を担ってきたのだと思います


そして私たちが生まれてからは

「家族を守るべき」

父親としてあるべき姿を全うするために
一生懸命だったのかもしれません


ひとつ屋根の下に居ながらも
何となく近寄りがたい感じがあったのを
子どもながらに覚えています

家では愚痴ひとつこぼすことはありませんでしたが
機嫌が悪いと口を閉ざし

そんな姿に嫌気が差していたのは
ちょうど私が反抗期真っただ中だったからだと思います


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だけど
どんなときだって

私がやってみたいと思うことに
反対されたことはないし

見えないところで
沢山支えてくれて応援してくれていたのだと
今ならわかるし感謝しています


不器用でも信頼に値する人でありたい
与えられたことは丁寧にこなしていこう
自分なりのこだわりは大事にしたい



今まさに私自身が
大切にしたいことや
目指すところだなと感じているのは

気づくと
父のこれまでの人となりや
歩んできた生き方だったりします


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今日は父の70歳の誕生日でした

これまでと変わらず
母に電話をして

私「お父さんにおめでとう、って言っといてよ」


これまでなら
「はいはい」で終わるところが


母「ちょっと待ってよ?」

気を利かせた母が父に代わってくれました


(困った!何話そう)


考える間もなく父が電話に出て


父「もしもし…元気にしとるかね」


それを耳にした途端

鼻の奥がツンとして
胸がキュッとなって

涙が出そうになってしまいました


お互いに話慣れないものだから
妙な沈黙を挟みながらも

一言二言話して電話を切りました


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電話を切った途端

あとからあとから
理由のわからない涙が溢れて

しばらく止まりませんでした


久しぶりに聞いた父の声は
とっても丸く優しくなって

あっという間に
私の胸に沁み込んできたのでした


誕生日は
電話を掛ける口実になるかもしれないなぁ



多分次回も
母を介してかもしれませんが

また父の声を聞きたいなと思います
(お父さん、お誕生日おめでとう)




怒りの感情と上手に付き合う
アンガーマネジメントコンサルタント

山本周子(やまもとちかこ)

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