ここでいう
「境界線を引く」というのは
自身の境界線をハッキリさせる
その境界線を相手に言葉で伝える
二つの意味を含んでいます
******************************
アンガーマネジメントでは
怒りで後悔しないために
怒りを感じたときにできること
怒ることと怒らないことの線引きをすること
怒ると決めてどうするか
これらのコントロールをしていくことで
怒りの感情と上手に付き合い
上手な怒り方を身に付けていきます
私自身も日々取り組んでいることではあるのですが
この怒ることと怒らないことの境界線は
相手からはもちろん
自分も目には見えません
だからこそ
自分の中でハッキリさせることと
それを相手に伝えていくことが大切なのですが
(相手に伝えるってこういうことか!)
というのを実感した出来事がありました
******************************
とあるきっかけで知り合った方がいて
お互いに何を話せばよいのかわからない中
苦し紛れに繰り出したこちらの質問に対して
「あ、それは聞かれたくないですね」
優しいトーンでそう言われたのに対して
「あ、失礼しました」
こちらもそう返し
そこからまた別の会話が始まったのですが
私にとっては
すごく新鮮な感じがしました
というのは
もし私が逆の立場であったなら
(この質問、ちょっとイヤだな)と
内心そう思っていたとしても
何となく濁した返事をしたり
当たり障りのない返答をしていたと思うのです
******************************
さらにその方が
「あ、それは聞かれたくないですね」のあとに
「あくまでも私の場合は、ですけどね」
そう言われたのがとても印象に残りました
自分はここを踏み込まれたらイヤだな
他の人は違うかもしれないけど少なくとも「私は」
自身の中の境界線をハッキリさせること
それを相手に言葉で伝えるということ
そのことによって
(この方はここは踏み込んで欲しくない領域なんだな)
こちらの心得ておくことがわかり
その後のやり取りを通して
結果的にその方とはさらに仲良くなったのでした
******************************
怒ることと怒らないことの線引きをするということは
無理やり我慢して温厚さを保とうとか
過剰に怒って威厳を示しておこうとか
こう見られたいとか
こう思われたいとか
そういうことを考えることではありません
怒って後悔するのならそれは怒る必要のないこと
怒らないで後悔するのならそれは怒る必要のあること
それを自分で見極め線引きをする
ということです
そして
その境界線を言葉で伝えるということは
こうされたら怒るから心しておいて!
を宣言するということではなくて
私の許容範囲はここまで
せめてここまでならOKです
それを示しておくことで
お互いにとって共有できる範囲をすり合わせたり
歩み寄るための助けになるのではないかな
そんな風にも感じました
******************************
初対面だったにも関わらず
何だか深い所でやり取りできたその方とは
またいつか必ず会いましょうと約束をして別れました
早くお会いできる日が来るといいなと思います
怒りの感情と上手に付き合う
アンガーマネジメントコンサルタント
山本周子(やまもとちかこ)
人気ブログランキング